こんにちは、六本木アナリティクスエンジニアのTaku(@aelabdata )です。
dbtを使ってデータ変換モデルを構築する際、開発環境でdbt runコマンドを実行するだけでは、データ活用は始まりません。データ基盤をビジネスの「資産」として機能させるには、本番環境でモデルを定期的に自動実行し、変更を安全にデプロイする仕組みが必要です。
この「自動実行」と「安全なデプロイ」を実現するのが、dbt Cloudにおける「dbt Jobs(ジョブ)」です。
dbt Jobsを使えば、コマンドラインでの手動実行から解放され、以下のようなメリットを享受できます。
- 自動化: スケジュールに基づいてモデルを自動で実行し、最新のデータを常に利用可能にする。
- 信頼性: 実行履歴やログを管理し、エラー発生時に迅速に対応できる。
- CI/CD: Gitブランチの変更をトリガーに自動テストを実行し、デプロイプロセスを安全かつ効率的にする。
今回は、dbtの公式ドキュメントを参考に、dbt Cloudが提供する主要な3つのジョブタイプ Deploy Job、CI Job、Merge Job について、その用途と具体的な設定方法を解説します。
dbt Jobsとは?
dbt Jobsは、特定のdbtコマンドを、設定されたスケジュールやトリガーに基づいて実行する一連のタスクです。dbt CloudのGUI上で簡単に設定でき、以下の3つの主要なタイプに分かれます。
- Deploy Job(デプロイジョブ)
- CI Job(継続的インテグレーションジョブ)
- Merge Job(マージジョブ)
dbt Cloudの主要なジョブタイプ
① Deploy Job(デプロイジョブ)
Deploy Jobは、開発が完了したモデルを本番環境にデプロイし、定期的にデータを更新するために使用されます。
- 目的:
- 本番環境のデータセットを最新の状態に保つ。
- 本番環境のデータ品質を継続的に監視する。
- トリガー: スケジュール(毎日、毎時など)や、API経由での手動実行。
- 実行内容:
dbt build: 全モデルをビルド(runとtestを同時に実行)。dbt docs generate: ドキュメントを最新の状態に更新し、チームで共有。
② CI Job(継続的インテグレーションジョブ)
CI Jobは、開発中の変更が本番環境に悪影響を与えないかを自動で検証するために使用されます。
- 目的:
- Gitブランチの変更内容をテスト環境で事前に検証する。
- コードレビューと並行して、モデルの動作やデータ品質をチェックする。
- トリガー: Gitブランチへのプッシュやプルリクエストの作成。
- 実行内容:
dbt build --select state:modified+: 変更されたモデルと、それに依存するモデルのみをテスト環境で実行・テストします。これにより、不要な全モデルの実行を防ぎ、実行時間を短縮できます。dbt test --select state:modified+: 変更されたモデルのテストを個別に実行し、データ品質を検証。
③ Merge Job(マージジョブ)
Merge Jobは、特定のブランチ(通常はmainブランチ)へのマージをトリガーとして実行されるジョブです。CI Jobが成功した後に実行することで、より安全なデプロイワークフローを構築できます。
- 目的:
- CI Jobで安全性が確認された変更を本番環境にデプロイする。
- CI/CDパイプラインの最後のステップとして機能する。
- トリガー: プルリクエストが
mainブランチにマージされた時。 - 実行内容:
dbt run: 新しいモデルや変更されたモデルを本番環境で実行。dbt test: 最終的なテストを実行。
まとめ:dbt Jobsでデータ活用のサイクルを回す
dbt Jobsは、単なる自動実行ツールではありません。CI/CDのベストプラクティスをデータ変換に適用し、チームでの開発をより安全で、効率的、かつ信頼性の高いものにするための重要な基盤です。
- CI Jobで変更の安全性を保証する。
- Merge Jobで安全なデプロイを自動化する。
- Deploy Jobで本番環境のデータを常に最新に保つ。
これらのジョブを組み合わせることで、データ変換のサイクル全体を自動化し、データ活用を次のレベルに引き上げることができます。
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